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もう一回やりたい!活動を考えよう!

9月に入り、秋がそこまで近づいてきていますね。

朝夕が少し過ごしやすくなってきた今日この頃です。

ご無沙汰しております。

今回のブログでは、モンテッソーリメソッドに沿った

活動づくりの条件

について自身の反省も含めてお伝えしようと思います。

活動(アクテビティ)とは?

モンテッソーリメソッドでは、アクテビティ(活動)は、

プログラムのような、その言葉から連想されるようなグループ活動だけでなく、

私たちが日常的にご飯を食べたり、自分の身の回りの事をする行動も活動に含まれます。

おひさまでは、活動を、好きな時にできる「アクティビティ」と捉えています。

モンテッソーリケアの対象者は主に高齢者ですので、

子どもを対象としたモンテッソーリ教育と方法論として共通しているところと、

そうではない部分があります。

共通しているところとしては、

一人ひとりのやりたい、という気持ちを尊重できるように自己決定をサポートすること
好きなだけ、自分の力で、繰り返せる環境を整える、そしてそれを根気強く見守ることです。

高齢者(モンテッソーリケア)にとっての活動とは?

高齢者にはそれまで生きてこられた歴史が存在します。

・一人ひとりの長所やその人の人生史にあわせた手仕事
・残存機能の維持を目的とした適切な運動
・記憶を刺激したり、五感を使うような活動

をこころがけてご提供します。

子ども(モンテッソーリ教育)にとっての活動とは?

子どもは、これからできることが増え、成長の一途をたどります。

  • 友情を育むことができる活動
  • 自分から着手できる活動の機会を提供する

自律し、選んでつかみとる習慣を身に着け、

生涯に渡って楽しみをもって学び続けられる大人に育つようサポートします。

楽しめる活動づくりのために大切なこと

では、具体的に

どういった活動が上手くいき、

上手くいかない活動の理由は何なのか

今回は、私がモンテッソーリケアワーカー・看護師・保健師として監修をさせていただいています

療育園凸 さんで、お子さんたちにご提供しているモンテッソーリプログラムでの

活動の様子も踏まえてご説明したいと思います。

凸さんでは、2~5歳のお子さんたちが通われており

年齢や性格特性、興味の幅によって

お一人お一人のお子さんが出来ることは大きく異なります。

特に療育的関わりをしてみようと思うと、

子どもたちが興味を持ってくれない
好きなものや色などはわかるが、その先にできることが思いつかない

という、興味の幅で壁にぶち当たることがよくあります。

その際に、大切になってくることは、普段からの観察です。

とにもかくにも まず観察

観察からわかることは、膨大です。

他の子と比べる必要はありません。

できないことに注目するのではなく、

観察を通して

その子にとってのうまくいかなかった理由

に注目すると良いかもしれません。

  • もしかして、簡単すぎたり?
  • 難しすぎたり、複雑すぎたのかもしれません?
  • ステップ(段階)が多すぎたのかもしれません?
  • 馴染みが無いものなのかもしれません?好きじゃないのかもしれません?
  • 提供する側が、話し過ぎてるのかもしれません?

こういった原因は、

活動への引き込まれ方や集中の度合い
活動を楽しんでいるように見えるか
喜んで活動を繰り返しているか

で、判断できます。

そして、注目すべきは、その子一人ひとりの変化です。

活動を繰り返していると、

ある時から興味を持つ部分が変化して、本来の意図に沿った活動ができてくることもあります。

まさにトライアンドとエラー!失敗と工夫の連続!

おひさまでの活動の場合、まず興味のあるものを知り、

そこから発展させていくことが望ましいと考えています。

現在、凸さんでは、

英語に興味のあるお子さんや、数字を勉強中のお子さん、

そして動物が好きなお子さんが多いです。

また、お庭でダンゴムシを捕まえたり、園でカブトムシの飼育を行っていることもあり、虫への関心が高いです。

そこで、英語を使っての数や虫、動物の活動を考えることにしました。

実は以前から、虫キューブを使っての絵合わせ活動は行ってきました。

カードの絵に呼応して、立方体の虫の絵をみつけだす、

比較的、低年齢のお子さんにも楽しんでいただける活動です。

今回は、和名だけでなく、アルファベットで書かれた虫の名前を意識して活動できるように目指します。

実際のプログラムの様子

まずは、導入に絵本を用意します。

今回用意したのは、エリック・カールの「123どうぶつえんへ」

「かずのほん」とサブタイトルがついているとおり、楽しみながら数の概念を学べる絵本です。汽車の後ろへ行くほどに乗っている動物達の数が増えていきます。各ページの下の方には、汽車の先頭からそれまで出てきた動物達が小さく表示されていて、「ゾウが1匹、カバが2匹、キリンが3匹、ライオンが4匹、で、ほーらクマが5匹ね。」といったふうに楽しめます。エリック・カール独特の美しいコラージュで表現された動物をながめているだけでも楽しくなります。各車両に小さなネズミ(これもエリック・カール作品によくでてきますが)がちょこんと乗っていて、かわいい演出をしています。

1、2、3どうぶつえんへ 作:エリック・カール 出版社:偕成社 絵本ナビより引用

①123 to the zoo「123どうぶつえんへ」の絵本を始まりの会で導入に読み聞かせ

②各ページの動物たちのイラストと呼応したプリントをひとり一枚配布

③子どもたちの人数分の数字のマグネットを用意し

④プリントに印字された数字に、数字のマグネットの型はめを行います

⑤動物の数だけ丸○シールを貼ります

子どもたちは、自分だけのプリントや数字マグネット、シールに大喜びで取り組み始めました。

ですが、よく見るとひとりひとり違う取り組み方をしています。

Aさん 動物がたくさん載っている、絵本に夢中 数字あわせに挑戦 

Bさん 数字をシールでプリントに貼り付け、シール数関係なく貼り尽くすのに夢中

Cさん シールを下半分に埋め尽くすまで貼り続ける

Dさん 別に用意した数字のかたはめパズルに夢中

色々な材料を用意した分、楽しみ方も人数分異なったようです。

こうして、提供側の本来の活動の意図と異なっていても、その子の興味がひきだせたものと捉えます。

ただ、ステップ(段階)が多すぎたことは、自身の1つ目の反省点として、挙げられます。

活動の難易度の調整

モンテッソーリメソッドにおいて、

困難性を高めたり、低くして難易度を調整することを

活動の「展開」といいます。

今回はプリントの他に 

数字の型はめパズル

を、困難性を低める目的で用意しました。

自分のペースで、型はめパズルやシール貼りで微細運動をできたこと、スタッフに最後まで見守ってもらい、褒められた

ことこそが、そのお子さんにとっての達成感につながったと思います。

活動の評価

逆に、年長のお子さんの場合、このプリントは簡単すぎたようです。

次は、アルファベットで綴られた、虫カードを使用して難易度を高めます。

虫の英単語の頭文字だけ、アルファベットマグネットはめができるようにしました。

大好きなカブトムシ(Beetle)のBから

マグネットを使ってはめこみ開始。

同時に、虫の名前の頭文字に使わない、ABC―Zまでのマグネットを

はめられるよう別の用紙も用意します。

お手本を見せた上で、一緒に、虫の頭文字のアルファベットをABC-Zの中から探します。

2つ目の反省点として、このお子さんにとっては、虫は好きでもABC-Zはそこまで馴染みがなく

26個の中から特定の頭文字に使われるアルファベットを探すことは難しすぎました。

では改善するとすれば?

アルファベットに慣れるための導入、そして段階を踏んで困難性を高めていく必要があります。

次回以降は、

ABC-Zのお勉強(復習)虫の頭文字に使うアルファベットだけを抜き取る→虫カードで頭文字のアルファベット型はめ

の流れで行ってみたいと思います。

子どもたちを社会で見守り育てること

今回、この活動を思いついたきっかけは

他に私がモンテッソーリケアをご提供させていただいています、高齢者施設で働かれている同僚の方から

「よかったら、お子さんたちに遊んでもらってください」と、

エリックカールをモチーフにしたおりがみを頂いたからです。

改めて、子どもたちはたくさんの方々からの思いと共に、育っていくのだと、実感し胸が熱くなりました。

本当にありがとうございます!!

このように、自身の失敗を省みながら、常にトライアンドエラーで

療育現場におけるモンテッソーリプログラムを、

おひさまでは、ご提供をさせていただいております。

また、今後も教室での様子をお伝えできればと思います。

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